chip of wood

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オハヨーオーハヨー

 起きて何もかも夢だったら、また新しい物語を描こう。

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心の森

 僕はいつそこに足を踏み入れたのか。記憶はないんだけど、僕の心の中には森があって、動物たちがいて、草花が咲い、大きな木々が優しく包み込んでいる。
 僕は東京に生まれ、東京で育ち、いまも東京にいる。モモの友達であるペッポおじさんは遠い昔のその場所の風景を見ることができるようで、幼い僕ももしかしたら、遠い昔のこの場所の風景を見ることが出来たのかもしれない。
 かつてこの場所は木々が生い茂り、豊かな水と友に様々な生き物たちが暮らしていた。いまはもっぱら人と鳥と猫と昆虫が少しいるくらいだけどさ。

 年を取り、気がついたら僕は科学と文明の森に迷いこんでいました。多くの人々に囲まれて生きてきました。僕の周りには人ばかりいたので、人の言葉と人の作ったもので溢れていて混乱してしまいました。
 狐のお友達の女の子はいつだって人気のない森のなかで遊んでいて(それはいつだって、どんな時だって、街の中にいたって部屋で一人でいる時にだってそうなんですよ!)、それを知ったら、最初は少しさみしく感じてしまって、少しかわいそうに想ったりもしたんだけど、だんだん羨ましくなってきて、それは、少しずつ、森には何があるのか分かってきたからかもしれません。

 森には何があるのか?そんなの僕ごときに言葉にできるわけないじゃないですか。
 ただね。四季折々で流行る服とか、流れる音楽とか、物の値段や価値って変わるじゃないですか。
 そういうのじゃないんですよ。森にあるのってそういうのとは無縁のものなんですよ。

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僕の音の中には少しあなたの血が流れているなんて誰も信じてくれないでしょうか?

 何から語れば良いのかわからないし、どう説明したらいいものか、僕にはまだ分からないのだけど、いま拙くてもいいから形に残したいので聞いてください。

 僕には一人の友がいた。彼と今でも友かと聞かれれば、僕はたちまち言葉を失ってしまうだろう。でも、それでも、僕たちは少なくとも再び友として一緒に泣き笑い、何かに挑む日々を夢見て、怯えながらその手を伸ばそうとお互いにしているに違いない。

 僕には言葉があった。彼には音があった。だから二人で歌を作った。
 彼の音の世界に耳を傾け、そっとそこにお邪魔して、旅をして、そして、そこで僕は物語を描いた。
 それはやがて言葉となる。そして、その言葉に彼はメロディーを付けてくれた。
 
 僕はずっと彼の音の中で過ごしてきた。彼の音は子守唄のようで、放課後の教室で一人、遠くから聞こえてくる音に耳を傾け続けているような安らぎがあった。

 でも僕たちは徐々に夢から冷めていった。放課後に終わりが訪れるように、いつまでも子守唄を聴きながら眠ることが許されないように、僕たちが僕たちのままで生きていくことも許されることはなかった。

 夢から覚めた僕は現実の中で何が現実かも分からないままさまよい続けた。過ちを繰り返し、それでも言葉を吐き続け、言葉によって誰かを傷つけ、言葉によって誰かを癒やし、言葉の力で誰かを殺そうとし、言葉の力で誰かを救おうとした。
 
 夏が終わる頃だった。その時、僕は言葉によって人の心を殺そうとして失敗したあとだった。
 彼は故郷の帰省に誘う仲間たちの一人として僕を選び声を掛けてくれた。僕はすがるようにそれに飛びついた。

 彼の実家は岡山の田舎も田舎、コンビニでさえ、歩いていくことが困難なほどだった。
 僕たちは夜の道路で寝転び星空を仰ぎ、小さな名も知らぬ祠に手を合わせ、池の主の蛙を探し、山の奥から聞こえてくる僕たちの知らない何かの声に驚き、線路の上で遊び、彼の古い記憶を旅して回った。
 僕たちを車で色んな所に連れて行ってくれたのは彼の父だった。優しい目と穏やかな声を持つ、素敵な人だった。その笑顔にはこの地で家族を守り生きてきた証を見て取ることが出来た。お父さんは優しく力強く、それでいて、さり気なくそっと僕たちを包み込んでくれた。

 今日、その笑顔をもう見ることは叶わなくなったのだと知った。
 

 僕は無意識にギターを手に取っていた。今朝、ワンフレーズだけ出来た夏の曲。それを弾こうとしたら、左手は不意に、いままでと違うコード進行を選択し、そして、次々と新しいフレーズが生まれ、あっという間に一つの線を描き出した。
 
 そして、幾つかのフレーズの中で一番優しい音。何処か懐かしい音。これは確かに彼の音だと僕は感じる。
 彼の音は僕の中で形を変え、今でも生きている。彼の音の中には岡山の風景が、父の笑顔が、確かに宿っているに違いない。そして、音を生み出す彼の体を流れる血の半分は父から受け継がれたものだ。
 だから、僕の音の中にはあなたの血が少しだけ、形を変えてほとんどそれと誰にも分からないかもしれないけど、流れているに違いないのです。
 なんて言ったら、あなたは笑って受け入れてくれるでしょうか?


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宣戦布告

 私は、己の欲望のみを満たすだけの個人主義と戦うことを決意します。
 他者に無関心であり続ける生き方にNOを突き付けます。

 本当のあなたを見つけ出し、それを受け入れ、愛する方法を模索し続けます。
 本当の自分を探しだし、それを愛し、あなたに受け入れてもらう方法を模索し続けます。

 過去に生きた人々の想いを探し続けることを誓います。
 未来に生きる人々に想いを伝え続けることを誓います。

 過去に対して、未来に対して、恥ずべき今があります。
 過去に対して、未来に対して、誇れる今を創造します。
 
 

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東京mk2

 僕には気まぐれで電話をかける友人がいて、なんとなく特に理由もなく4ヶ月に一回くらい電話をかける。基本彼は出ない。出なければそれで終わり。折り返してくることはまずないし、メールは互いに送ったりしない。出たら少し話をする。お互いにその時に上向きになっていれば会ってドライブをする(僕は免許も車も持っていないから彼の車で彼が運転する)
 出会った時、彼はボーカロイドで曲を作っていた。出会った時、僕はボーカロイドの歌詞を書いていた。その後、僕は迷いの中でさまよいだした。彼も迷いの中でさまよいだした。
 彼の音も言葉も好きだった。「いつか一緒に歌を作ろう」互いにそんな言葉を口にし続けていたが実現することもなく、何年かが過ぎて今日になる。
 僕は彼とどんな歌をどのように作りたいのか、それがずっと僕には分からないでいたのだけど、ある時、ひたすら彼の歌を聴き続けて思ったんだ。
 僕は女性になって、彼に歌を作ってもらってそれで歌いたかったのだと。
 それは叶うことのない願い。ちょっとへんてこな願い。でも僕にとってはそれはおかしなことではなくて、彼にとってもそうで、その話をした時に彼はただただ納得していた。
 先ほど電話してみたが、やはり出ない。夏になる頃には話すことは出来るだろうか。話したいことはたくさんあるが、特別いま、話さないといけないことなんて何一つなくてだから問題はないのだ。
 最後に彼が送ってくれたデモ音源を聴いてみる。
 「突然に出会えることだけを頼りに、東京に、いま、着きました」
 偶然、僕が暇で、僕が気まぐれにあいつに電話をして、偶然、あいつも暇で、あいつが気まぐれに電話に出て、なんて偶然が起こったら楽しいなってそれくらいの意味しかないのかもしれない。
 でもそれは僕が電話をかける事の意味で、実際電話がつながった時は、それはそれは特別なことが起こるに違いないのだけどね。

 Hey!Tome!Hey!田中!
 元気にしてるか!偶然、このブログを目にして、突然に電話かけてきたりしてきてくれないものか!特に用があるわけでもないんだけどな!

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