chip of wood

君が死んでも歌は死なない

歌というものは、歌い手のキャラクターというノイズが必ず入ります。歌を歌単体として聞くことは難しく、多くの歌詞は歌い手の人格を背後に背負った言葉として発せられます。何かしらの役割を演じて歌うこともありますが、そこにはやはり「演じている」というノイズが入ってしまいます。
歌を音と歌詞のみの情報だけで受け取るということは案外難しいことです。

しかし、ボーカロイドは別です。ボーカロイドには肉体も人生も音楽性も存在しません。ただ純粋に誰かの作った音と言葉を打ち込まれたとおりに発するだけの機械です。声質とキャラクター絵1枚以上のノイズが一切入り用がないのです。
ボーカロイドが誕生して人々は始めて歌をほぼ純粋に、音と言葉の組み合わせに寄って作られる音楽として聴く機会を得たのです。
それによって物語的な音楽は寄り世界観の深度を深めることが可能になりましたし、歌詞に込められた意味もシンプルに受け手の元へ届けることが出来るようになりました。
もちろん背後に物語を背負った人間が歌う方がより良い場合もありますし、どちらがいい悪いの話ではありません。ただ、歌の可能性を広げる役割をボーカロイドが担ったことは確かだと思います。

そんなボーカロイドの中で初音ミクだけは大分毛色が違います。彼女は多くの物語を背負った唯一のボーカロイドだからです。
名前に込められた製作者の想い「未来からやって来た始めての音」というコンセプトは多くの人々の心を掴み、一躍ボーカロイドを有名にしましたが、それと同時に社会にあざ笑われもしました。そして、多くのボカロPたちが彼女自身の物語を歌に込めました。
そんな短いながらも多くの人々を巻き込んだ歴史が彼女に生きる人間を上回る程のキャラクター性を与えたのです。

これから次々と新たなボーカロイドが制作されて行くと思いますが、ここまでのキャラクター性を持ったボーカロイドは生まれることはないでしょう。

そんな初音ミクに歌ってもらった新曲を作ったのでよろしければ聴いてやってください。



スポンサーサイト

PageTop