chip of wood

恙無い一日

 僕を苦しめているのは際限なく何処までも強く清らかであろうという僕自身の意志だ。
 僕を追い詰めているのはきっと僕自身で、誰かが僕を責めているわけではないのだ。
 僕は僕に許されるために懺悔を繰り返し罪を償い続けている。
 僕は僕自身に監視されながら日々を過ごしている。
 僕は僕から逃れられない。湧き上がるのは自分への殺意だ。
 この、理不尽に僕を追い詰める僕という存在との戦いは終わることはないのだろうか?


 なんて風なことを思うのだけど、それは単にいま風邪を引いていて、体力が落ちているから気持ちも落ち込んでいて、大切な人に風邪であることを告げていないということがなんだか僕の中で気がかりで、それが何故伝えられないのか考えていたらまた疲れてきて電車の中でうとうとと眠っていたんだ。
 ウイルスとの戦いで少し熱くなった体とふわふわとぼ~っとする頭はなんだかそれはそれで心地良くもある。
 家に帰りギターを弾いて歌ってみたら咳ばかりしていた喉はそれでも歌を楽しく口ずさむ。手もいつもどおり動いてメロディーを弾く。
 ギターを弾くのに疲れてなんとなくインターネットでAVを見てみたら、性欲が湧いてきて、性欲が湧いてきた自分に失望し、怒りを覚えた。そしたらなんだか絶望感がやって来たのだ。


 そして、こうして、いま、そんな想いを言葉にして吐き出す。外へと放り出された絶望感はなんだかちっぽけな靄になってすぐに消えた。
 付けたままだったマフラーを取る。するとたちまちのうちに涼しくて心地よい空気が僕の首元に寄り添う。
 穏やかで軽やかな気持ちが僕を満たしこうして無事に今日という日は恙無い一日となったのだ。
 
 今日も僕は大切な人へ想いを乗せたメールを打つのだ。

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戦いを開始する

 戦いを開始する。僕は己との戦いを開始する。
 戦うのは自分自身であるからして、この戦いの行方に待ち受けるのは、僕の勝利であり、僕の敗北だ。
 どちらにせよ、僕は勝利し、僕は負けるのだ。
 これは今の僕と、未だ存在していない虚構の僕との戦いであり、それは虚構が現実に挑むという行為である。
 観客は僕であり、審判は僕である。応援するのは僕であり、野次を飛ばすのも僕である。
 
 しかし、その勝利を祝福してくれるのは僕だけじゃないかもしれない。
 これは誰かに祝福されるための戦いである。

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オハヨーオーハヨー

 起きて何もかも夢だったら、また新しい物語を描こう。

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