chip of wood

長い冬の間

 僕が冬が苦手なのは、寒いからでも、雲が淀んでいるからでもなく、凍結し停滞した時間が続くからなのだろう。
 四季の変化は焦燥感とリズムを僕に与えてくれるのだけれど、冬はどうにも長すぎて、心の奥底に澱が溜まり色彩が鈍り、徐々に感情が死んでしまう。
 
 風にも空にも春の気配はまだ感じられないけど、時はきっと前に進んでいて、土の下で春は密かに準備を始めているに違いない。やがて必ず訪れるであろう、次の季節を心待ちに、僕は重くなった体を必死に動かしてる。

 最近の僕はなんだか全てがちぐはぐで、完成したはずのパズルがいつの間にかバラバラに散らばってしまい、どうやらもう元に戻せなくなってしまったようだ。いくつかのピースはどこかへ失くしてしまったし、新しいピースは何処にはめ込めばいいのか分からない。
 
 新しい友人、新しい音楽、新しい本。きっとそういうものが必要なんだと思う。朧気に見えてきた完成図から想像するにまだ足りないものがいくつかある。
 
 不意に投げかけられた「君の書く歌詞の主人公はあなた自身だ」という友人の言葉がやけに引っかかる。
 なるほど、改めて自分の書いた歌詞を読み返すに、僕の創りだした女の子たちは確かに僕自身だ。
 彼女たちが泣いている時は僕も泣いているし、彼女たちが楽しそうな時は僕も楽しいのだ。
 
 そして、僕が変わってしまえば彼女たちも変わらずを得ない。
 明日も生きますか?と問われればやはり答えはYes。
 まだまだ面白いことは起こるはず。 
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