chip of wood

少女と花を愛でる冒険

この世界の果ての果ての果ての果ての島には 虹色に光るそれは綺麗な花が咲くというから
僕はそんなものに興味なんて無いのだが 例の如く君が強引に僕の手を引くから
ペンと紙と地球儀とおもちゃの剣を持ったら 暗雲たる無計画な冒険へと出発だ
我侭でお嬢様で君は世間を知らないから どうにもこうにもすべてが不安だ

汽車に乗り北へと宛のない旅の始まりだ 雪山の山頂に咲く青い花があると聞いたら
是が非でも見たいなんて無茶を君が言うから 凍えるような北国で山登りをしているのだが
両手が悴んで性も根も尽きてしまった いい加減キツイわ限界なんだもうこっちは
ほらあの先に休めそうな洞窟があるじゃないか あそこでちょっと一休みふた休みしようじゃないか

珍しく素直に首を縦に振ると思ったら ただ単に洞窟を探検したいだけだったのか
おいおいランプの油がそろそろ尽きそうじゃないか あまり無茶はしない方がいいと僕としては思うのだが
なんと洞窟の最奥部には地底湖がお出ましだ ヒカリゴケに輝くそれはそれは幻想的な世界だ
くやしいが今回ばかりは認めざるをえないか 無茶苦茶だがこれはこれで悪くないもんだな

山頂で見つけた青い青い小さな花は 氷漬けに閉ざされ触れることも出来なかった
気がつけば夜明け間近太陽がお目覚めだ 光が氷を透き通り青い花に降り注ぐから
朝日に輝く気高さその美しさときたら 一瞬の奇跡幻言葉になんて出来なかった
心奪われ花に見とれる君の横顔と来たら それはそれは綺麗で僕は瞼にそっと焼き付けた




南の島に世界一大きな花があるというから 船に乗って大海原へ大航海の始まりだ
話は付けたって怪しい眼帯のそのおっさんは どう見たってあからさま海賊ってやつじゃないのか
身分を明かしたら乗せてくれたってあんた何いってんだ 完全に家の資産を狙われてるんじゃねぇのか 
柄の悪い奴らに囲まれ今度こそもうおしまいだ お嬢さまと出会ったことが僕の運の尽きだったんだ

大海賊のお宝が眠り大きな花が咲く島には 獰猛な動植物と迷路のような遺跡が
お宝をめぐり海賊のオールスターが勢揃いだ 終いには軍隊が来てテンヤワンヤの騒ぎだ
王の墓に眠る大きなダイヤモンドを手に取ったら 古代人の仕掛けた罠が発動して絶命のピンチだ
軍人も海賊も人食い花に食われてった おいこれが噂の世界で一番でかい花かよ

花をめぐる物語 世界中を駆け回り お嬢さまと僕と二人 冒険の日々は終わらない
気まぐれなお嬢さまと小心者の僕と 命をかけて花を愛でる単純なストーリー
真夏の夜に一夜だけ咲く幻想的で白い花 灼熱の砂漠に咲く小さなサボテンの花
マグマの火口で花開く燃えるように紅い花 湖の底に咲き乱れる水晶のように透き通る花

そのすべてを語るにはあまりにも時間が足りないので それは次に会った時のお楽しみということで
虹色の花は結局見つかったのかって? 見つかってないから今日もこうして旅を続けているわけで
お嬢さまは今日も相変わらず我侭自分勝手で トラブルを持ち込み僕を振り回し続けるわけで
先程から早くしろとお嬢さまが急かすので 申し訳ないが皆様とはもうここでお別れ
スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する