chip of wood

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 わたしが空へと解けていくひかりを見たのは一度きり
 あお、みどり、しろ、ちゃいろ、おれんじ、くろ、他になにがあっただろうか?いろとりどりのひかりたちがあって、それはなにかでつながっていたんだけど、ふいにほどけた。
 ばらばらになったひかりは混ざり合い、その色は、絵筆を洗うバケツの中の色。―この世の色だときっと黒に近い。でもそれは、きっと黒ではない。はじめからある黒ではなく...。黒く見えるようになった’’イロ’’だ―
 そして、一筋のひかりになって―それは厳密には光ではない、ただ物質ではないが目に見えるものだという意味で光に近い―空へと飛んでいった。翔んでいった?落ちていった?帰っていったのだろうか?

 ひかりたちはつながりがなくなってしまい、この場所での意味を失った。だから、きっと、違う場所へと去っていった。でもほどけてまた一つになるその直前、その欠片?なのだろうか。いくつか光る粒が、それは―それは紛れも無く光だ―空気の中に浮いて、溶けた。
 だからわたしは、きっと、おばあちゃんのことを思い出せるのだ。ほとんど去ってしまったけど、こぼれ落ちた僅かな何かが、まだこの場所にあって、だからまだ、思い出すことができるのだ。


 絵筆をかき混ぜたバケツの中。覗いてみる。濁りきって汚いと人は言うだろうか?でも人は死ぬとこれになる。これをわたしは、そう、美しいとは言えないかもしれないけど、好きなのかもしれない。でも、ほんとうは好きではないのかもしれない。ただ忘れられないのだ。忘れたくないのだ。
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