chip of wood

夜の始まり

 一人で街を歩くのが好きだ。
 誰かといれば会話が交わされ、空気が生まれ、場が完成する。しかし、一人でいれば何も確定しない。空気は不安定に揺れ続け、曖昧な境界線のままで外界に触れ続ける。
 僕と外界を隔てる線を飛び越えてくる何かを待ちわびながら、僕は暇を見つけては宛もなく街を歩く。
 夜の東京は人々で溢れ、一時間も歩けば何百回も見知らぬ誰かとすれ違うだろう。突如その内の誰かと交通事故のようにぶつかり、物語が始まることだってあっていいのではないだろうか?

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