chip of wood

穏やかな時間

 ぼんやりと眠りに落ちていく。不意に目が覚める。散歩をしてのんびりとタバコを吸う。
 音楽を聞いて、誰かのことを思う。ご飯を食べて生きていることを思う。家を出る。
 見知らぬ誰かとすれ違い続けながら仕事へと向かう。
 「おはよう」から誰かと共に過ごす一日は始まる。
 「また何処かで」で誰かと共に過ごす時間は終わりを告げる。
 見知らぬ誰かとすれ違い続けながら家へと向かう。
 もっと誰かと話したいと思ったら、僕は寄り道をする。
 もっと誰かを想いたいと思ったら、僕は寄り道をする。
 自分の部屋でギターを弾いてみる。歌ってみる。
 
 インターネット越しに世界を覗いてみる。
 我が家から20kmほど先にある神宮球場で、野球というスポーツで生きている不思議な人達の戦いについての結果を確認してみる。日本中そこかしこで、野球というスポーツの中で出会い別れ、戦っている人たちがいるのだ。なんだか不思議だ。
 アダルト動画投稿サイトを見てみる。そこでは僕の見知らぬ女性たちが綺麗な体を晒し、僕の見知らぬ男性たちと絡み合う。
 これはいつ何処で起こったことなのだろう?この女性たちはこの時に何を思っていたのだろう?どんなシステムにより、この状況は構築されているのだろう?彼女たちはいま、何をしているのだろう?
 そんなことを思う時もあれば、ただただ、見知らぬ女性への性欲が溢れ、自慰行為にふけったりもする。僕の行為は罪なのか、それとも人間としてまっとうな行為なのか。まっとうな人間というのがそもそも汚らしいものなのだろうか?
 彼女たちにとって僕は汚らしい存在なのだろうか?彼女たちは彼女たち自身のことについてどう思っているのだろうか?
 

 あなたのいるその場所からは何が見えますか?あなたがいるその場所から人間という生き物は、あなた自身という生き物は、僕という生き物はどう見えますか?
 そんな疑問を置き去りにした時に僕は眠りに落ちることが出来る。そんな疑問にちょっとだけ答えが出た時に僕は眠りに落ちることが出来る。 

 目が覚めた時の僕と、眠る前の僕。それは確かに同じ僕なんだろうか?
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